家系について: これだっ、これこそが大氏族なのだ! とも言うべき圧倒的な大貴族。共和政時代を通じての最大の氏族であり、その能力、経歴、影響力の大きさ、人物の高潔さ、元老院・平民双方からの心服において最高の家系。旧貴族(パトリキ)中の「大氏族」に属し、共和政時代の初期(前5世紀前半)には、一時ほとんど王朝に近い支配権力を持ったが、477年ローマを守るため、幼い後継者だけを残して氏族員306名、庇護民4000名からなる軍隊でエトルリア人と戦争をしてほとんど全滅し、一時歴史の表面から消え去った。しかしやがて勢力を挽回し、前4世紀中頃から次々と大物を出した。
執政官表によるファビウス氏族の執政官職歴 B.C. _ 485 クィントゥス・ファビウス・ヴィブラヌス | 484 カエソー・ファビウス・ヴィブラヌス |全員兄弟? 483 マルクス・ファビウス・ヴィブラヌス 」 482 クィントゥス・ファビウス・ヴィブラヌス(2回目) 481 カエソー・ファビウス・ヴィブラヌス(2回目) 480 マルクス・ファビウス・ヴィブラヌス(2回目)−−−−−−−−−−−−+ 479 カエソー・ファビウス・ヴィブラヌス(3回目)/以上全員父名カエソー | | 467 クィントゥス・ファビウス・ヴィブラヌス(父名マルクス)←−−−−−−+ 465 クィントゥス・ファビウス・ヴィブラヌス(2回目) 息子? 459 クィントゥス・ファビウス・ヴィブラヌス(3回目) ↓息子? 442 マルクス・ファビウス・ヴィブラヌス(父名クィントゥス) 421 グナエウス(或いはヌメリウス)・ファビウス・ヴィブラヌス 412 クィントゥス・ファビウス・アンブストゥス・ヴィブラヌス _ 360 マルクス・ファビウス・アンブストゥス(父名ヌメリウス) | 358 ガイウス・ファビウス・アンブストゥス(父名ヌメリウス) 」兄弟? 356 マルクス・ファビウス・アンブストゥス(2回目) 354 マルクス・ファビウス・アンブストゥス(3回目)−−+ | 345 マルクス・ファビウス・ドルスオ |息子 ↓ 322 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ルリアヌス(父名マルクス) 310 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ルリアヌス(2回目) 308 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ルリアヌス(3回目) 297 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ルリアヌス(4回目) 295 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ルリアヌス(5回目) ↓息子 292 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・グルゲス(父名クィントゥス)−+ 276 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・グルゲス(2回目)| | | | 273 ガイウス・ファビウス・リキヌス(父名マルクス) |息子? | _ |或いは | 269 ガイウス・ファビウス・ピクトル(父名ガイウス) | |同一? | 266 ヌメリウス・ファビウス・ピクトル(父名ガイウス)」兄弟?| 孫| ↓ | 265 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・グルゲス(父名クィントゥス) | | | 247 ヌメリウス・ファビウス・ブテオ(父名マルクス)−+ | | 246 マルクス・ファビウス・リキヌス(父名ガイウス) |兄弟?|息子? | 245 マルクス・ファビウス・ブテオ(父名マルクス)−−+ | +−+ ↓ ↓ 233 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ウェルコスス(父名クィントゥス) 228 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ウェルコスス(2回目) 215補欠執政官 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ウェルコスス(3回目) 214 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ウェルコスス(4回目) |息子 213 クィントゥス・ファビウス・マクシムス(父名クィントゥス)−−−+ 209 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ウェルコスス(5回目) | |孫の 183 クィントゥス・ファビウス・ラベオ(父名クィントゥス) |養子 ↓ 145 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・アエミリアヌス(父名クィントゥス) 142 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・セルウィアヌス(父名クィントゥス) /両名とも養子? 121 クィントゥス・ファビウス・マクシムス(父名クィントゥス・アエミリアニ?) 116 クィントゥス・ファビウス・マクシムス・エブルヌス (父名クィントゥス・セルウィアニ?或いはアウグル) /上記養子の息子? ありゃりゃ〜、コルネリウス氏族に負けている……様な気がする……。錯覚に違いない……(笑)。 非常に系統が分かりやすそうな執政官職歴ですね。いきなり7年連続で、恐らく兄弟間で執政官職を歴任しているんですね(なお、ファビウス氏族が最初に執政官に就任したのはコルネリウス氏族のそれと同年)。 やっぱりルリアヌスとウェルコスス(クンクタトル)が飛び抜けていますが、他はそんなでもないですね。しかし、特定の系譜でもってやたら強いという事は言えそうです。最初ヴィブラヌス家、中盤マクシムス家、後半は奮わず(泣)。 ハンニバルが手こずったという、アロブロゲス族を征服したマクシムス・アロブロギクスは、年から行くと121年の執政官、父親がアエミリアヌスかもしれない?人物ですね。だとすると、アエミリウス・パウルスの長男の家系なんだなあ……。 共和政ローマの名門へ戻る |