勉強の教え方のコツ


  教え方のコツについて、いくらか書いてみます。

 勉強をメインに念頭に置いて書きますが、スポーツや遊びを教える際でも基本は同じです。


  • 怒らない。ニコニコして教える。「こんなことも分からないの?」などのバカにした言葉は超NG。また、子どもがミスしたり、変な答えをした時にそれを笑うことも避けるべき。最初は分からない、できないのが当然です。教えても子どもができない/分からない時は、子どもに責任があるのではなく、教え方がまずいからだと考え、より分かりやすい教え方を工夫しましょう。子どもが自分自身をネガティブに言っていたら、「これぐらいは全然普通だよ」「でもこれはできたじゃん」などとポジティブな面を指摘していく。
  • 集中力の限界以上の長い時間やらない。特に、勉強の習慣がない(なくなっている)子は、集中力が持たないので、最初は5分とかで休憩しても良いでしょう。ただ、本人ができそうならこちらから声かけして、再度やり始める(今日は無理とか言うなら、無理にはさせない)。面白く、やる気が出てきたら自然と時間は長くなっていきます。
  • 得意なものから始める方が往々にして良いです。しばらくは得意な教科(プレイ)だけをやり続けるとかでも可。教科自体の勉強になっていなくても、近い部分をやっていればしばらくはよしと考えてもいいでしょう(理科で、宇宙だけは好きとかなら、今の勉強には関係なくても一緒に調べてみるとか)。
  • 勉強の得意な大人にとっては恐らくこれが一番難しいですが、「できるだけ小さなステップ(スモールステップ)に分解して教える」「これぐらいはできるだろうという予断を排し、子どものペースを常に確かめながら、行きつ戻りつを当たり前だと考えて進む」ことが必要です。大人が「これぐらいはできるだろう」と思ってどんどん進めていくのを子どもが「えっ、えっ」となってなんとかついていこうとしているよりも、大人があまりにも分解してスピードが遅すぎて子どもから「もっとどんどんやってよ」と言われる方が1000倍もましです。
  • 勉強が苦手な子にならなおのこと、「ばかばかしいほど単純にして教える(Keep it simple, stupid.:KISS理論)」ことを心がける。いっぺんにいっぱい教えない。心がけとしては、「30秒につき1つのことしか教えない」という様な感じか。ただし子どもの反応を見て、教える量については調整していく。30秒に3つ教えて苦痛そうな顔や分からないという様な顔をしているなら、ペースをどんどん落とす。30秒に3つ教えても、分かったという顔をしていて、実際に問題をやらせてもできる様なら、更にペースを上げてもいい。(1つ、というのは例えば、am,are,isなどはそれぞれ1つ、+と+は+、-と-は+……などもそれぞれ1つ、という感じです。)
  • どれくらい分かっているか、常に確かめながら進む。特に初めて教える場合には、「教え始める」より前に、現在の理解度を大人側が掴むために色々質問してみることが必要(その際に、「分からない」ことを恥ずかしく思わせない態度でなければなりません。単に、一番良い教え方をするためには今どれくらい分かっているかを知っている事が必要だから……という態度でいること)。また、教え進めている最中にどこかの理解が足りてないなと感じたら、すぐに戻る。ただし、単純ミスや理解はしているけども30〜50%程度の割合で忘れる、という感じならば、「数をこなせば慣れてくる」ので全然心配はいりません。子どもにもその様に伝えて、気楽にやるように言いましょう。
  • 「数をこなせば慣れていく」の効用は馬鹿にしたものではありません。特に中1の「式の計算」や英語多読はそう言えますし、他のものでもそうです。しかしその際、「イヤイヤやる」よりも、「それをするのがイヤではない」方が結果ははるかに良くなりますし、イヤな場合勉強自体が続かない可能性が高くなります。どれだけ面白く教えられるかが、教える側にとって最高に高度に能力を要求される面です。子どもには「イヤな事でもできる能力(欲求不満耐性:Frustration Tolerance)」も必要ですが、そのバランスは常にはかって接するべきでしょう。







  • 問題集などをやるなら、簡単で極力薄いものを選ぶ。使い捨てでそれらを何冊もやることになっても、その方が達成感も得られるし、出来ない問題が少ないことはやる気が増すことにつながる。
  • まったく勉強しない様なら、何か遊びのたぐいで自分で努力する事によって達成感が得られる様なものをやる事が、勉強にも向かう手助けになると思います。
  • 面白い教え方のコツとしては、生活に結びつけること。算数なら、お菓子やおもちゃを買いに行ったり、友達と何かを競うようなエピソードと結びつける。社会なら、身近な人になぞらえたり、性格を面白おかしく説明してみる。