『激闘! マンシュタイン軍集団』と『A Victory Lost』は本質的には同一ゲームですが、細かくは色々と違っているので、『激マン』をやるつもりでVASSAL『AVL』をやっていると、「あれっ?」ってなことが発生することがあると思われます。また、『激マン』と『AVL』の相違点について、「これは『AVL』のルールでやるけど、これは『激マン』のルールで」という様なこともあり得るかもしれません。 そこで、以下に『激マン』と『AVL』の違いについて書いておきます。 マップ上の違いのうち、川のあるなしなどは「だからといって『激マン』の様にあるとみなしてやるなんてできない」類のものだと思いますが、ハンガリー軍の配置されているヘクスの荒れ地に関してなどは「ソ連軍強すぎなので、荒れ地とみなそう」というのはありかもしれません。基本的に『激マン』にしても『AVL』にしても、ソ連軍の方が遙かに有利だと(個人的に)思うので、対戦にもよりますがドイツ軍が有利になる様に可能な調整はすべて、ドイツ軍有利側にやった方がいいように感じます。ただし、初プレイの人がソ連軍側をやる場合などにはややこしいので、そのままでいいでしょう。 ・グラフィック これはいわずもがな。 ・『激マン』だと荒れ地だが『AVL』だと平地のヘクスがある。 いくつかありますが、中でもハンガリー軍が配置されているヘクス3730と3830の影響が重大です。 ・『激マン』にある小河川が『AVL』ではなくなっている。 スターリノ北北西をKrasnoarmeiskoiからSlavianskへ流れドネツ川に合流する川が消されてます。 ・ザポロジェ西方の鉄道線が繋がっている。 ・『激マン』ではルーマニア第4軍という呼称だったものがルーマニア第3軍になっている。 これは『AVL』の方が正しく、『激マン』のミスプリでした。 ・増援時期について、28Aや1PzAの登場が1ターン早くなり、マンシュタインチットの登場が1ターンずつ遅くなっている。 この部分の影響は甚大で、かつ『激マン』と同じようにする事はたやすいので、相談した方がいいでしょう。 ・28Aの1ユニットの戦力が1減っている。 ・勝利得点の計算方式が違う。 5つの勝利得点都市は各5点になり、最初に保持している枢軸軍側が25点を持っていることに。また、ソ連軍機械化ユニットを除去するごとに枢軸軍側に1点。で、先に30VPに達した方か、終了時に得点の高い方が勝利。 ・ルール上の相違点。 前ターン補給切れだったユニットが再度補給切れであれば、孤立状態となる。 補給切れの司令部ユニットは、置き直さなければならない。 指揮範囲内に指揮する部隊のなくなった司令部は除去する。 ボックスから登場する増援ユニットは、戦略移動でマップ上に入ることもできる(ただしこの件は『激マン』では可能とも不可能とも不明です。プレイ前にすり合わせしておいた方がいいでしょう)。 ・選択ルール。 『AVL』には、「どちらかの陣営が有利すぎると感じられる時に採用してよい選択ルール」が書かれています。が、ソ連軍側への救済措置は、個人的にいらないと思うのでパス(しかも強力なものが多い……)。ドイツ軍側への救済措置を以下に書いておきますが、非常に微妙で悲しくなります。 ・マンシュタインチットは指定のターンの最後に到着するのではなく、そのターンの最初から使用可能だということにする。 ・コマンド選択フェイズ中に、ソ連軍プレイヤーは1ターン先のチットを選択しておかなければならないようにする。 ・第1ターンの特別戦闘セグメントの後、枢軸軍プレイヤーが次に選択されるチットを指定することができるようにする。 それから、『激マン』『AVL』共通の問題点?として、 マップ上で最も北西のソ連軍ユニット、の2ヘクス下のソ連軍ユニット第100歩兵師団がルール上は最初から孤立している……という問題点があります。 この問題について、「(ルール的に見て)孤立とみなす」「(歴史的に見て)孤立とはみなさない」の両方の選択肢があるでしょう。私個人としては、歴史的に見て孤立とみなさない方がいいような気がしますが、ソ連軍有利を少しでもなんとかするために孤立とみなすのもありかなぁ……とか。 |